「小さき者へ」~

「小さき者へ」と「生まれ出ずる悩み」。
少年期にこの本を読んで大きな感銘と衝撃を受けた。
僕の文学の嗜好を決定づけた作品である。
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過日、足を負傷して入院を余儀なくされた時に、院内のコンビニで目にして再度読んでみたくなり購入した。
巻末を見るとなんと昭和30年から90刷もされていた。

この作品自体は大正7年、有島武郎が40歳の時に書いた作品である。
「小さき者へ」は妻を結核で失い、残された3人の子供への父としての思いを書いたもの。
「生まれ出ずる悩み」は主人公を「君は」と呼ぶ文体と、有為多感な青年の告げ様のない苦しみに、苦しむと云う題材に強く惹かれていった。
確か小学生の高学年に読んだ記憶がある。

これ以降、文学に傾倒して行き、谷崎潤一郎、川端康成、武者小路実篤、井伏鱒二、田山花袋、森鴎外、樋口一葉、志賀直哉、芥川龍之介、永井荷風、菊池寛と狂ったように読破した。

最後に石川啄木の「一握りの砂」を読んだ時に言い知れぬ恐怖を感じ、乱読癖が治まった。

しかし今でもちょっとした悩みや苦しみがある時には本を読んでしまう。
読んでいると自然と落ち着くからである。
僕の精神安定剤かもしれない。
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by TeamStella | 2012-07-19 04:59 | 一般