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「小さき者へ」~

「小さき者へ」と「生まれ出ずる悩み」。
少年期にこの本を読んで大きな感銘と衝撃を受けた。
僕の文学の嗜好を決定づけた作品である。
「小さき者へ」~_f0206762_9332547.jpg

過日、足を負傷して入院を余儀なくされた時に、院内のコンビニで目にして再度読んでみたくなり購入した。
巻末を見るとなんと昭和30年から90刷もされていた。

この作品自体は大正7年、有島武郎が40歳の時に書いた作品である。
「小さき者へ」は妻を結核で失い、残された3人の子供への父としての思いを書いたもの。
「生まれ出ずる悩み」は主人公を「君は」と呼ぶ文体と、有為多感な青年の告げ様のない苦しみに、苦しむと云う題材に強く惹かれていった。
確か小学生の高学年に読んだ記憶がある。

これ以降、文学に傾倒して行き、谷崎潤一郎、川端康成、武者小路実篤、井伏鱒二、田山花袋、森鴎外、樋口一葉、志賀直哉、芥川龍之介、永井荷風、菊池寛と狂ったように読破した。

最後に石川啄木の「一握りの砂」を読んだ時に言い知れぬ恐怖を感じ、乱読癖が治まった。

しかし今でもちょっとした悩みや苦しみがある時には本を読んでしまう。
読んでいると自然と落ち着くからである。
僕の精神安定剤かもしれない。

# by TeamStella | 2012-07-19 04:59 | 一般

損傷個所

これがスターン部分の損傷個所。
FRPの積層が終了した。これでもう漏水は止まる。しかしまだまだ序の口が終わっただけ。
ライフラインもスタンションも全て外されている。
損傷個所_f0206762_11193857.jpg

# by TeamStella | 2012-07-17 11:20 | 一般

stellaの修理

stellaの修理_f0206762_1345356.jpg

前月のレースで重傷を負ってしまったStellaの修理がいよいよ始まった。
大きな個所はポート側のスターンに空いた穴のFRP積層修理と、曲がってしまったポートデッキの2本のスタンションの修理。同時にストレスのかかったポート側にある5本のスタンションは全て抜いてシール剤の充填をし直さなければ、雨が漏ってビルジが溜まってしまう。
梅雨時の晴れ間を狙っての作業だからなかなか捗らない。

Stellaはハルが赤い。赤と云う色はどうしてもくすみや紫外線の影響を受けやすい。修理個所との色の差が出てしまうとあまりに醜い。
この辺りがどこまで保険費用でカバーできるかが難しい問題になってしまう。色々な意味で微妙な課題を抱え込んでしまった。

それよりなにより、今回しみじみ感じた事は、ぶつけた側よりもぶつけられた側のが精神的なダメージが大きいと云う事である。これまでにもぶつけられた事はあったが、これほどまでのダメージを受けた事はなかった。一時は本当にヨットをやめようとさえ思った。

権利、非権利に関わらず衝突と云うことは絶対に避けなければならない。
その為に、これからはもっと事前に危険回避を考えてコースを引くなりポジションをとっていきたい。

# by TeamStella | 2012-07-13 13:31 | 一般

遠隔転移② ルンバール(腰椎穿刺) 検査

遠隔転移② ルンバール(腰椎穿刺) 検査_f0206762_9334991.jpg

白血病への移行や、中枢神経へ遠隔転移が無いか骨髄液を採取して調べた。検査方法はルンバールと云う方法で、背中に針を刺し椎骨から骨髄液を抜き取る。

主に腰椎の4番5番目ぐらいの椎骨から採取する。

背中を押しだすように膝を抱え込みぐっと丸め、出来るだけ椎骨間の間隔を広げ、目指す椎体に刺しやすい体位を取る。

麻酔も効いているので大して痛みはないが、脳に直結している髄液を抜く訳だから、頭蓋内圧が下がり独特の頭痛が発生する。非拍動性のドンとした痛みだ。それを予防するために施術後すぐに生食を点滴で入れてもらう。おかげで全く頭痛は起らなかった。

検体を病理検査に回すので確定診断は1週間ぐらい先になる。

もし陽性ならもう何もしないつもりだ。ひたすらヨットに打ち込む事にしよう。

ケ・セラセラだ。

# by TeamStella | 2012-07-11 10:26 | 健康

遠隔転移 ①

遠隔転移 ①_f0206762_17232061.jpg


半年前、元癌の直腸がんが肺に飛んでいた。しかも両肺に。再燃ではなく遠隔転移と云うわけだ。
右のが大きく進行も早いので、これは直ぐに切除したのだが、左が大変難しい位置に発現したため外科的な治療を躊躇っていた。

何とか抗がん剤で潰せないだろうかと「ゼローダ」を服用した。
「ゼローダ」は第3次治療薬といわれ、アメリカで新たに開発された抗がん剤である。転移・再発乳がんの3次治療として明確な腫瘍縮小効果もあるという。

癌は第1次、2次の標準的化学療法で奏効しなかった場合には、もう施す治療法がないと言われていたのだが、この新薬の開発で手の施しようが無くなった癌に対し新たな治療法ができた。

約半年の服用でその効果は絶大だった。腫瘍の大きさも約半分程度に縮小したのだ。ひょっとすると消えてしまうのではないかという淡い期待すら持った。

ところが世の中そうはうまくいかない。癌の存在を示す血中腫瘍マーカーの数値が突然上昇した。分かりやすく言うと抗がん剤が効かなくなったという事だ。抗がん剤は必ず効かなくなる時が来る。しかし、まさかこんなに早く来るとは思ってもみなかった。

これには相当焦った。もうこれ以上は治療方法がない。後は危険を覚悟で外科手術を受けるしかない。全身に抗がん剤の効能が残っている今のうちにやるしかない。

「大変難しい手術です。成功率は30%以下です。万が一のために輸血も相当量を確保します。」と、執刀医はつれなく言うがまぁ仕方ない。執刀医も本当はやりたくないのだろう。

緊急手術と云う事でオペチームが急遽結成された。
恐らくは8月中旬に手術になる。後は運を天に任せるしかない。

まぁこの手術が成功したとしても存命率がどれほど伸びるかわからない。QOLを考えたらひょっとして何もしない方がいいのかもしれない。

悩ましい限りだ。

# by TeamStella | 2012-07-10 17:26 | 健康